起業したいが口癖の人は三種類

インターネットというインフラは非常に便利だが、一つ困ったことをしてくれた。
元々一定数居て、局地的にしか認知されていなかった目障りな存在、馬鹿とかキチガイとか社会不適合者を可視化してしまったのだ。
起業したい病の人もこういう目障りな存在の一つだ。


起業をしようと思うけど、ビジネスモデルが沸かない。
でもしょっちゅう経営者になりたい、起業したいと口ずさんでいる。
そういう人がここ15年で異常に増えた気がする。


そしてそういう人をカテゴライズすると大体三種類くらいに分かれると思う。


1.人に使われたくない人
2.社長になりたい人
3.一発逆転したい人


こんな感じだ。


あきれるくらい能天気なオツムだと思う。

1.が論外な理由
会社として取引をする以上、取引先には頭を下げ続ける。人に使われないことは無い。
大企業を課長職で退職して、起業したら、子会社の平社員にアゴで使われる。
なんて事例は良くある。
この条件は宇宙国家の独裁者にでもならない限り満たせない。

2.が論外な理由
業務をしていなくても約10万のコストで会社は作れる。
社長にもなれる。
別に仕事をしないならビジネスモデルを考える必要も無い。
それすらすぐやらない。
こういう人はなんでも後伸ばしにして結局失敗する。

3.が論外な理由
会社を操業して設立して働くのを自分ひとりとしても3年間でかかるコストは2000万程度だ。
ビジネスモデルも考えられない人がそのお金を起業することに使うくらいなら、2000万円分宝くじを買った方が良いのではないだろうか?
宝くじの1等当選確率は1000万分の1なので、宝くじを10万枚購入したときに当たる確立は1%だ。
統計を取ったことがないが、おそらく起業して一発逆転できる確率よりも高い。
問題はこれくらいのリスクを投資しないと成功というものは手に入らないにも関わらず、2000万円分の宝くじというリスクも犯せないその気概だ。
こういう人はきっとビジネスチャンスがあっても逃すだろう。


さて、こういう人のお話を聴いていると大抵頭の中にある会社のイメージがホワイトカラー企業だ。
つまり知的産業をイメージしている。
馬鹿なくせに知的産業に足を踏み入れようとしている。
全くばかげたことだ。
あ、馬鹿だから仕方ないのか・・・。


ところで、起業、起業と聞くとみんな六本木ヒルズの大学デビュー成金的なのをイメージしがちだが、それが起業の全てだと思っていないだろうか?
飲食店を開業するのも、工務店を開業するのも起業だということを忘れていないだろうか?
そしておそらく、中卒や高卒から仕事を始めて手に職をつけて独立する人の成功率は、大卒でホワイトカラー企業を開業する人の成功率より高い。
なぜならば、彼らの作業の多くは属人的な知識で占められていて、オートメーションが難しいからだ。
属人的=独自の技能で仕事をしているこういう企業はある意味でベンチャーだと思う。
起業しようと思う人は、ホワイトカラー労働にばかり目を向けていないでこういうところにも目を向けてほしいものだ。
アウトソーシングが容易なホワイトカラー労働に比べて、ロケーションが固定されたブルーカラー労働というのはまだまだブルーオーシャンが残っているはずなのだ。


勉強すら出来ないくせに、一人前に大学に進学して知的産業につこうとしている諸君。
君たちがワーキングプアに一直線、社会の搾取奴隷に突き進んでる間に、君たちが馬鹿にしてる肉体労働者たちは着実に成功の階段、健全な生活への道を進んでいる。
目を覚ませ。