棍棒を持ったインテリになる。

>糸柳は変人で難があるが、技術力は確かなので会社に残している。
ドワンゴはただの奇人変人を集めている会社ではない。

ドワンゴの川上会長が糸柳について昔、僕がしていたのと同じ指摘をしていた。
愚か者というのは、才能ある変人の愚かな部分だけ真似て、自分も才能があるような気分になりたがる傾向があると思う。
僕は自分の才覚を自覚しているので書くけど、まわりにも僕のルーズなところとか、適当なところとか、悪いところばかり真似たりする人が何人か居る。


でも、僕の生産性は知性に依存するところであって、この知的生産社会において、僕は自分が才能によってルーズで無頼漢でも社会に受け入れられるのを知っているから自分の生き方を貫いているだけだ。


ネットで活動して有名なギークにも言えることだけど、みんな自分が才能があるのを本心では気づいていて、自由な生き方を選択している。
この件に関して周りの人にははっきり告げることが義務だとおもう。


そうしないと、安易に模倣するので周りの才能のない人たちは、悪いところばかり真似して、結局彼らに良い影響を与えられない。
人は皆、身の丈にあった暮らしをすべきであって、他人の生活に惑わされるべきではない。
金持ちの浪費を貧乏人が真似したところで破産するだけなのはわかりきっている。
他人の生活を羨み、自分の生活をさげすんだところで惨めな人生がより一層、惨めにになるだけだ。


たとえば僕は学生時代に起業した。
学生起業家としてはそれなりの成果も出した。
でも僕は懇意にしている技術者の後輩、いわゆる天才ギークの人たちが起業したいって言ってるときは否定する側に回る。
彼らは技術者としては類稀なる才能を持っている。
だからこそ、起業してよかったことよりも悪かったことを重点的に話す。
会社にとって重要なのは技術力ではなく経営力であって、技術者にそういう才能を持った人は少ないから。
むしろ失敗した事例の方が多く聞く。残念ながら、個人プレイで業績を重ねてきた彼らに経営手腕は備わっていない。
他人を働かせる術や他人が何によって行動するかを知らないからだ。


かと言って、寄ってくる自称ビジネスマンたちに任せることを勧めるのか?というとそれは違う。
寄ってくる人のホトンドは経営の能力が無い。
たまたま成功しちゃった運が良い人か、もしくは食い物にしようとしてくる人がホトンドだ。
そもそも経営の才能というのは持っている人の方が少ない。
就職で最難関と言われるコンサルティングファームの人間だって同じだ。
この程度のやつでも採用されるんだっていうのが半分以上を占める。
だからこそ、ファームの離職率ブラック企業ほど高い。
軍隊に戦えない兵隊は必要無いのだ。軍事戦略のノウハウから生まれたコンサルティングファームではその問題を良く理解している。


そういう中で、ごく一部居る本当の経営者を見つけて、上手く飼って貰う必要がある。
その為には、才能が無いなりに経営学を学ぶ必要があるだろう。
むしろ才能が無いからこそ学ぶ必要性が高い。
才能があるなら、学ばなくても良いのだ。
現代の若い著名なギークは教育によって自らの専門性を成し得たのだろうか?
違う。
彼らは趣味で、自学自習した結果、専門性を手にいれたのだ。
研究を志さないでビジネスの世界に行きたいのであれば、高等教育で学ぶ必要は無い。


特にIT分野の学生でビジネスを志す人が情報理工研究科やら工学研究科、理学研究科に進むのは全くもって間違っていると思う。
ソフトウェアの研究は自宅で出来るのだ。
それよりもと戦う術を身につけて欲しい。
書物を持った青ヒョロいインテリは暴徒や野蛮人の前に容易くひれ伏すのだ。
書物の知識はすでに頭にあるのだから、棍棒に持ち替えて愚か者に抵抗する術を身につけるべきだ。
経営学は学問とは言い難いが、少なくとも詐欺師を見抜く力はつくだろう。